運動が世論をつくり、情勢を変える

道教組が #学校のリアル見える化プロジェクト をスタートさせて10日ほどが経ちました。

Facebookページの「いいね」がかつてないほどに順調だったり、すでにメッセージカードを送っていただいたり、取り組みの意義をあらためて感じています。

取り組みを進めるとたくさんの先生方が感想を寄せてくれます。そこから気付きがあって学習素材が豊かになったり、別のところで取り組みを進めるきっかけになります。

4月下旬のこと

「教職調整額が10%」となることがいくつかの報道でされました。X(Twitter)を見ていると、働き方に関わっていろいろな話題がありました。

  残業代が増えるっていうけど、残業代じゃないよねぇ

 財務省が特別部会に資料出しているよね

  「もしかしたら」ちょっと給料増える!?

とにかく話題に上がりました。「教職調整額10%」はとてもセンセーショナルなトピックでした。

4月24日 全教が書記長談話を発表

全教が書記長談話を発表。A4・2ページにわたる内容は忙しい日々の中で読むのはとても苦労するものです。

そこで、道教組は解説動画を作成しました。中教師特別部会の資料そのものが50ページにわたる多岐にわたるものです。その中に「時間外勤務の時間把握」「教職員定数のこと」「諸手当の改革(ここに教職調整額10%以上が含まれる)」「新しい職の導入」といったさまざまな視点が散りばめられています。

4月27日 単組代表者会議で

ゴールデンウィーク最初の会議で、「中教審の今後の動き」と「全教の取り組み」について考えました。

パブリックコメントがはじまること、そのために急いで学習をすることが大事だと考えました。そこで、5月5日に緊急オンライン学習会をすることにしました。

5月5日 緊急オンライン学習会

連休の日曜日の夜にも関わらず、20人の参加がありました。また、道内に限らず本州からも参加がありました。感想のいくつかをご紹介します。

職場では、調整額が10%になり、給料が上がると思って歓迎しているような受け取りをしている方が多く、残業代ということではなく、人材確保法に基づくものであり、業務改善にはつながらないこと、これを口実に働き方改革の動きが止まる・鈍ること、総予算が増えないので、新たな職や手当ができることで、将来的にもらえるはずの給与が減ることになること、をしっかりと伝えることが必要だと感じている。しっかりと周知して、声を上げるきっかけとなったり、署名やメッセージの取り組みに賛同してもらえたりする可能性を広げたい。組合活動の意義や動きを広めることにもつながると思う。
まだまだ学びが足りない自分に気づきました。小さな声を集めるためにはどうすべきなのか。的確な指摘をし、声を反映させるためにはどのような動きが必要なのか。考えていかないといけないと思いました。まずは大まかにしか知らなかった答申を学ぼう思います。・
上から降りてくるものに対して、子どもたちにとってよいものか?という疑う力が問われていると感じました。そして、声を上げていくことや集って学び続けることの大切さを再確認しました。

企画から1週間での開催、それも連休の日曜日に。そんな無理矢理な学習会でしたが、集まって語ることは学習素材を豊かにすることにつながりますし、次の運動の展望をもち合うことにつながると確信を得ることができる会になりました。

5月6日 学校のリアル見える化プロジェクト始動

まずは学習をすること、そしてチラシとメッセージカード・メッセージボードで学習した感想や、パブリックコメントに書こうとしている内容を交流しようと取り組みをスタートしました。

用意したのは、A3メッセージボードと、手のひらサイズ(A6の)メッセージカードです。

5月11日連続座談会1回目

1時間のZOOMを6週連続で開催します。通称「河原でバーベキュー」。

4人で語り合いました。複式学級の定数改善が平成5年以降は進められいないこと、中教審の審議過程で出されていた諸外国の学校の先生の働き方との比較など「そうだよねぇ」と交流。複式学級の基礎定数改善については、さっそく学習資料に反映しました。

各単組の会議で「見える化ブロジェクト」について交流

提起から1週間。早い単組では、機関会議等で「学校のリアル見える化プロジェクト」について議題として扱っていただいています。

また、機関会議で取り組みさっそくメッセージを送ってくれたりしています。

機関会議の様子から
「分会会議や分会長会議でぜひ取り組んでみてください!」と話しました。
「ここで動かないとこの先数十年変わらないかもしれないからここで動くのが大事!」という提起に、支部代表者はうなずきながら聞いてくれました。

15分で学べる学習資料

単組や分会など会議で集まってこの話題に触れてくれたみなさんから、「この取り組みとってもいいんだけど、かんじんの『中教審が言っていること』が難しいんだよね」という声をいただきました。

そこで、15分の番組を作りました。今回の動画のポイントはふたつ。ナレーターが全部話してくれること、その話していることが字幕として表示されること。

想定としては、単組や支部、分会などみんなが集まった場所でワイワイ言いながら見る…みたいなイメージです。

運動が世論をつくり、情勢を変える

少しずつですが、声が集まりはじめています。

数年前の「1年間の変形労働時間制」のパブリックコメントの際は、全国から3,000件の意見が文部科学省に寄せられたそうです。その後の「1年間の変形労働時間制」の制度導入は、教育関係者の力合わせによってあまり進んでいないところが実態です。それは、きっと運動の「初発の感想」であるパブリックコメントが大きく盛り上がったことも遠因としてあるのではないかと思います。

さいしょは小さな運動でも、それが世論を作ります。

いまの時代でいえば、「X(旧Twitter)でバズる」ということがあるでしょう。そして何よりも私たちがリアルに毎日奮闘している現場である「自分の職場」で「ねぇ、メッセージカードの取り組みあるんだけど、いっしょに描かない?」ってなっていいねぇとなることがすごく大事なことだとではないでしょうか。

そうして「このことが問題だ」と思う方が草の根的に増えていくことが、情勢を変えることにつながります。