やっぱり辞めるの、やめます!

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今日は、道内小中学校の教諭等の人事異動新聞発表。ここ数年、退職の欄の人数の多さがめだちます。定年での退職だけでなく、いわゆる「自己都合退職」と言われる中途での退職が増えているようです。

退職の理由は様々で、他府県受験や、地元に戻って転職などひとりひとりに切実な事情があるととらえるべきなのかもしれません。一方では、学校という場所が変わってきているということもあるでしょう。現行学習指導要領で定められている「資質・能力」の育成や、2006年に教育基本法が変わって以降の管理と統制の教育施策など挙げれば理由はキリがありません。

こうした中で、私たちは昔から変わらず教育実践を語る営みを大切にしています。

2019年の教育のつどい

全道規模のものでいえば、毎年11月に開催している「合同教育研究全道集会」。全国規模のものでは、毎年8月に開催される「教育のつどい」があります。

こうした教育研究集会への参加が、「もう少し教師を続けみよう」と希望になることだってあるのです。

全道合研に数年に一度、レポートをもって参加していた中藤さん。ある年、久しぶりに担任をした子どもたちとの日常をレポートにまとめました。学級通信に書いて子どもたちと共有した価値観をまとめつつ、学校現場の「リアル」に悩みをもっていたそうです。

中藤先生

中藤先生

教育って、なんだろう。誰のためにあるのかな。

自分自身が親として子育てを通して感じること、個性あふれる教室の子どもたちのことを一生懸命に想いながらも毎日の教育活動を進める中で、学校現場の多忙さや管理強化から感じる多忙感や無力感を感じて…

「教育の大変さと大切さ」を感じれば感じるほど、この仕事を続けていくことに限界を感じ始めていました。

そんな毎日の中で気づけば脳裏に「退職」の2文字が浮かんだと言うのです。

そうしてなんとか乗り切った1学期。そして夏休みの「教育のつどい」。

「教育のつどい」という非日常の環境に緊張しながらも、分科会討議で聞こえてくる、教育条理にあふれる全国の教育実践に魅了されたといいます。

全国の先生方は、実践の中身だけでなく、報告で語られる姿も素敵で、とても幸せな時間でした。

中藤先生の学級通信を通した実践報告は、「子どもたちを励ましながら、安心できる時間を教室につくっている。このことが子どもたちの成長につながっているのではないか」と共同研究者の先生がコメントして激励してくれました。

私が目指していたのは、そういう思いを言葉で子どもに伝えられる人なんだなぁ

レポーター席でその言葉を聞いて、涙が溢れたといいます。

北海道に帰ってきて、慌ただしく2学期を迎える中で中藤先生はちょっとだけ緊張しつつ校長室に行きました。

やっぱり辞めるの、やめます!

その一言とともに、夏休みの出来事をちょびっとだけお話ししたそうです。

すると最後に校長先生から聞かれました。

校長先生

校長先生

あなたの思いを変えたものはなんですか?

中藤先生は迷うことなく、とびっきりの笑顔で

希望です!

と答えました。

教職員組合運動には、こうした希望があるのです。

全道の仲間、全国の仲間とつながり教育を語り合うことで広がる希望は、たくさんあります。あなたともこの「希望」を分かち合いたいです。

記事に出てくる先生の名前は仮名です。また写真はイメージです。