「力合わせ」のひみつ

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もうすぐ新年度。来週の月曜日には、新年度のオールスタッフが顔を合わせていると考えると、学校という場所が怒涛の勢いで新年度を迎えようとしていることを実感します。

新年度の職員室。どんな光景が広がっているでしょう。

はじめての学校での勤務です。聞こえてくる言葉が何がなんだかわかりません

担任するのは初めてで、ドキドキとワクワクが入り混じっています

誰もそう思っていないかもしれないけど、この学年は初めてなんだよね

中には、校内人事で「ここは大事」と言われた仕事を引き受けた先生もいるのではないかと思います。ひとりひとりの新年度が、ピリッとした緊張感の中でスタートします。

道教組が掲げている「協力・共同の学校づくり」という考え方には、職場づくりをどう進めるかということも含んでいます。

何かと忙しい新年度スタートのこの時期に、一人ひとりが抱える仕事量や環境は違えど、力合わせするというのも、職場づくりにおいては欠かせないことです。

この「力合わせ」。

「協力」という言葉が近いのかもしれませんが、大きく違う部分があるのだと思います。

昔、教職員組合運動で活躍した大先輩は「協力」と「力合わせ」の違いをこんなふうに説明してくれました。

「協力」という言葉は「協力する」「協力してもらう」というように、「協力してあげる」「協力してもらった」というような関係になってしまうけど、「力合わせ」は違う。
お互いに「力を出し合う」ってことなんだ。
その力に、世代の近いとか経験の違いとか、立場の違いというのもあるかもしれない。だけど、とにかく「出し合う」。そうして、困難を乗り越えることを昔から「力合わせ」といってきたんだよ。

若い先生とベテランの先生。

管理職と先生方、はたまた教育行政と教職員組合etc…

ややもすると対立構造になってしまうことだってある関係者が、教育のために力を出し合う。それが「教育関係者の力合わせ」なんじゃないかということです。

わたしはICTが得意だから、ちょっとだけ先生方の力になれるかも

大学生の頃、ソーランやってたから演舞指導は任せておいて!

初めての挑戦!一生懸命がんばってみよう。きっと誰かを励ませてるはずだから…

学校という場所は、子どもたちだけでなく、先生方だってしあわせをわかちあえる場所であるはず。そのために、先生方は出せる力を存分に発揮できなければいけません。ひとりひとりが「力合わせしよう」と思える環境こそが、学校づくりには欠かせないのです。

ひとりひとりが出せる力を発揮して、輝いてこそ「協力・共同の学校づくり」です。

年度末から新年度に向かうこの時期は、何かと慌ただしく忙しくなくなりがちです。だからこそ、お互いに「力合わせ」をして、新学期に胸をはずませている子どもたちのために春休みを乗り越えたいものです。

そして新学期、元気に登校してくる子どもたちの姿を思い浮かべながら、私たち自身がわくわくした気持ちになれるような学校づくりをみんなで進めていけたらいいなと願います。